地域全体の健康を推進する保健師の仕事っていいなあ。
でも保健師の資格を取得するのにはお金がかかる‥
45歳未満で看護師として2年以上勤めているなら
- 専門実践教育訓練給付金
- 教育訓練支援給付金
という二つの制度で学費と在学中の生活費を国に補助してもらえます
こんにちは。FP2級、簿記3級を取得したアラフォー小児科医のくるりくらと申します。
保健師になる夢を叶えたいけど、保健師養成学校の学費やその間の生活費の負担を思うと二の足を踏んでしまいますよね。
看護師が保健師の資格を取得できる保健師養成学校の学費は約100-200万円と高額です。これを貯金で貯めることができたとしても、もう一つの問題が在学中の生活費をどうするかです。
そんな状況を助けてくれるのがあまり知られていない2つ国の支援制度です。
- 専門実践教育訓練給金
- 教育訓練支援給付金
中長期的なキャリア形成を支援する給付金ですが、これは「看護師が保健師の資格を取得する場合」にも適用されます。
今回が初めての申請である場合必要な条件は
- 病院(会社)勤めを2年以上していること
(パートの場合はケースバイケース) - 45歳未満であること
- 資格習得のやる気が十分であること
です。2つの制度で受けることができる恩恵は以下の通りです。
<専門実践教育訓練給金>
保健師の国家資格取得に必要な学費が最大70%(年間上限56万円)給付される
<教育訓練支援給付金>
教育訓練(保健師養成学校在学)の間、失業保険の基本手当の80%が支給される
この記事では
保健師資格を目指している看護師さんが抱える
- 保健師養成学校の学費が高い
- 在学中の生活費が心配
という心配事に対し
- 専門実践教育訓練給金
- 教育訓練支援給付金
という国の支援制度を使って、お金の心配を減らして夢を叶える方法を紹介します。
※教育訓練支援給付金は当初令和4年3月までとなっていましたが、3年間延長されて令和7年3月までとなりました。
看護師が保健師を目指す際の2つの金銭的負担
- 保健師養成学校の学費
- 在学中の生活費
保健師養成学校の学費
看護師が助産師資格を取得するための1年制の助産師学校の学費は約100-200万円前後と高額です。
在学中の生活費
保健師養成学校は1年間で座学と実習をこなすハードなカリキュラムです。
生活費をバイトで稼ぎならがら学業を両立するのは難しいです。
そのため学費に加えて、在学中の生活費が大きな負担となります。
看護師が保健師の資格を取得するのを金銭的に支援してくれる国の制度
- 専門実践教育訓練給金
- 教育訓練支援給付金
名前が難しすぎてちょっと受け付けない‥
国がやる気がある若者に向けて、学費も在学中の生活費も補助してくれるという制度です。頑張ってついてきてください。
専門実践教育訓練給金
保健師を含む国が定めた国家資格(業務独占資格、名称独占資格)を取得するための学費を国が補助してくれる制度です。
支給額
在学中と修了後資格取得などの条件を満たした場合に給付されます。
資格を取得して就職した場合には70%(年間上限56万円)が支給されます。
保健師養成学校の多くは1年制だから上限の56万円までになることが多いのね
支給の条件
- 受講する講座が厚生労働大臣が専門実践教育訓練に指定されている
- 雇用保険の一般被保険者等専門実践教育訓練の受講開始日に、支給要件期間が3年以上(初申請では2年以上)
① 受講する講座が厚生労働大臣が専門実践教育訓練に指定されている
残念ながら全ての保健師養成学校に制度が適応されるわけではありません。
国(厚生労働大臣)が「専門実践教育訓練」に指定した講座が対象となります。
2022年4月の時点で指定されている保健師養成学校は全国で5校ありました。
厚生労働省の検索システムで探すことができます。
教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム
指定されている学校は少ないのね‥
引っ越して1年間学校の近くに住むのもありかもしれないですね
② 雇用保険の一般被保険者等専門実践教育訓練の受講開始日に、支給要件期間が3年以上(初申請では2年以上)
大まかには雇用保険の加入期間が3年(初申請では2年以上)ということですが、パートの場合には雇用保険に加入しているかどうかはケースバイケースです。
私、雇用保険なんて入っていたかなあ?
病院に正規職員の看護師として勤務している場合には病院が雇用保険に加入してくれています
自分が要件を満たしているかの確認はハローワークに電話で問い合わせるのが確実です。
教育訓練支援給付金
こちらは45歳未満を対象に専門実践教育訓練在学中の生活費を国が支援してくれる制度です。
支給の条件 (重要なもののみ抜粋)
- 受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと
- 45歳未満であること
- 受給資格確認時において離職していること
45歳未満の方が現在の仕事を辞めて、保健師養成校の専門実践教育訓練に昼間通学で通う場合には対象になる可能性が高いです。
こちらも確認はハローワークに電話で問い合わせるのが確実です。
支給額
教育訓練支援給付金の日額は、原則として離職する直前の6か月間に支払われた賃金額から算出された基本手当(失業給付)の日額に相当する額の80%が、教育訓練が修了するまでの期間支払われます。
実際に支給される額をシミュレーション
収入や年齢、雇用保険加入期間等で支給額は大きく変わります。
個々の実際の支給額はハローワークに問い合わせて確認しましょう。
30歳 勤続8年
- 月給 30万円(税引き前)
- 保健師養成学校学費 200万円
○専門実践教育訓練給金
学費の70%=140万円は年間上限の56万円を超えてしまうので、年間上限の56万円が給付されます。
○失業給付と教育訓練支援給付金
- 最初の2ヶ月間は支給なし (失業給付の給付制限期間)
- その後90日間 日額5924円(失業給付)
- 残り約7ヶ月間 日額4748円(5924✖︎0.8)(教育訓練支援給付金)
○合計支給額
- 専門実践教育訓練給金 56万円
- 失業給付 53万3千円
- 教育訓練支援給付金 99万4千円
○合計208万7千円
これだけの金額を支援してもらえると本当に助かる。
教育訓練支援給付金の額でも贅沢しなければ暮らしていけそう。
学費は一括納付が多いので(学費+2ヶ月分の生活費)を貯金できていれば心配なく通学できますね。
まとめ
看護師さんが保健師の資格を取得する際に生じる金銭的負担を軽減してくれる国の制度を二つ紹介しました。
専門実践教育訓練給金は対象の講座を持つ保健師養成学校で資格取得をする場合に、その学費を最大70%補助(上限年間56万円)してくれる制度です。
教育訓練支援給付金は専門実践教育訓練給金の対象者が45歳未満である場合に、専門実践教育訓練の在学中に失業給付の日額の80%が支給されるものです。
国の支援制度を使って、お金の心配を減らして夢を叶えてください。
専門実践教育訓練給金も教育訓練支援給付金も条件など詳細は、我々素人がネットで調べても限界があります。
興味を持ったなら正確で最新の情報をハローワークに問い合わせて確認することをオススメします。
親切に対応してくれます。