赤ちゃんを片手で支えながら洗うってほんと大変
沐浴頑張っているのに赤ちゃんの顔にニキビみたいなぶつぶつが・・
その悩み、「沐浴のやり方」を変えるだけで解決するかもしれません。
こんにちは。アラフォー小児科医のくるりくらと申します。
赤ちゃんの沐浴難しいですよね。
頑張ってやっているのに、顔のぶつぶつなど皮膚トラブルが起こると本当にやるせない気持ちになりますよね。
それらの悩みは「沐浴のやり方」を変えるだけで解決するかもしれません。
小児科医、アレルギー専門医として活躍されている杉山剛先生が研究された「あわあわ沐浴、もちもち保湿」という新しい沐浴法を数年前に学会で講演されているのを拝聴しました。
感銘を受けた私は早速、第2子の沐浴に取り入れてみましました。
第1子の時の従来の沐浴法の苦労はなんだったんだ??というくらい楽に効果的に沐浴ができ、第2子は皮膚トラブル0で現在に至ります。
この記事は
- 従来の沐浴法が大変と感じている方
- 赤ちゃんの皮膚トラブルに困っている方
を対象に
- 新しい沐浴法「あわあわ沐浴、もちもち保湿」のやり方
- 小児科医が実践した感想
をご紹介ます。
一人でも多くの親御さんが沐浴の大変さから解放され、赤ちゃんの皮膚トラブルがなくなることを願っています。
従来の沐浴法の問題点
私が第1子に従来の沐浴法を実践し感じた問題点です。
上の写真を見ながらイメージしてみてください。
- 左手は赤ちゃんの体を支えるので動かすことができない
- 体を洗う時も湯に浸かっていてしっかり洗えない
- 顔はガーゼで拭うだけ
- 上がり湯が少量でちゃんと流せていない
① 左手は赤ちゃんの体を支えるので動かすことができない
赤ちゃんがお湯に浸ってまわないように左手は常に赤ちゃんの体を支えなければなりません。
新生児のうちはそれほど重労働ではないですが、2-3ヶ月になってくると腕が”プルプル”してきます。
さらに左手を取られてしまうので、必然的に赤ちゃんの体を洗うのは右手だけしか使うことができません。
これでは「しっかり洗う」ことが難しいです。
② 体を洗う時も湯に浸かっていてしっかり洗えない
やってみると分かりますがベビーバスに半身浴の状態で、右手だけで手足や体を洗おうとするとどうしても湯に浸かった状態で洗うこととなりしっかり洗浄できません。
結果として「なんとなく泡で洗った」状態で終わってしまいます。
③ 顔はガーゼで拭うだけ
顔は赤ちゃんの皮膚トラブルの後発部位です。おでこから鼻筋のいわゆる”Tゾーン”は皮脂の分泌が多い部位であり、脂漏性皮膚炎をよく生じます。
皮脂は「あぶら」なのでお湯だけではキレイになりません。
従来の沐浴法では顔はガーゼで拭うだけであり、これでは古い皮脂が残ってしまい脂漏性皮膚炎の原因となります。
④ 上がり湯が不十分でちゃんと流せていない
泡混じりのお湯から出るときの上がり湯が不十分です。
「ぞうさんジョウロ」1杯分で頭から体まで流すよう指導されていました。
少量の上がり湯では泡がしっかり流しきれません。
確かに自分がこんな風にお風呂に入るように言われたらイヤだなあ
新しい沐浴法「あわあわ沐浴、もちもち保湿」とは
小児科専門医、アレルギー専門医として活躍されている杉山剛先生が研究し考案された新しい沐浴法です。
先生の講演を学会で拝聴した時にはまさに「目から鱗」で、その時第2子妊娠中だったこともあり準備をして実践することを決めました。
その概要は以下の7箇条にまとめられています。
あわ・もちスキンケア7箇条
- ガーゼは使わずママの手でやさしく洗いましょう
- 顔も泡できちんと洗いましょう
- 髪の毛(頭部)にはヘアシャンプーを使いましょう
- 顔、胴体、手足には顔・体用シャンプーを使いましょう
- 洗浄料はよく泡立てて使いましょう(泡状洗浄料でもOK)
- シャワーのお湯で流しましょう
- お風呂上がりにはすぐにたっぷり保湿しましょう
(杉山剛監修「これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本」から引用)
- ガーゼを使わない
- 顔も泡で洗う
- シャワーのお湯でしっかり流す
- しっかり保湿する
がポイントです
そしてなぜかこの7箇条に入っていないのですが、ベビーバスを使わずにマットを使って沐浴しますがそのメリットも絶大です。
マットを利用してあわあわ沐浴をしている動画がありましたのご覧ください。
両手を使えるからすごく楽そう
赤ちゃんも安心したいい表情ね
マットを利用するメリット (私の経験から)
- 体が安定するので赤ちゃんが不安にならずご機嫌
- パパママの左手の負担がなくなり、両手を使って洗うことができる
- 下に泡が貯まらないのでシャワーでしっかり泡を流すことができる
あわあわ沐浴法+沐浴マットで
従来の沐浴法で感じた問題点は全て解決できました
あわあわ沐浴、もちもち保湿の実践とその感想
使用した物品
- 沐浴用マット
- 頭用と体用の洗浄料 (ボディソープとシャンプー)
- 保湿剤
① 沐浴用マット
ちょっと高いなあと思いつつも杉山先生の講演を聞いた直後で気持ちが熱かったので購入しました。
ベビーバスと異なり、お座りができるようになる半年くらいまでは利用したのでまずまずのコスパだったのではないかと思っています。
ホームセンターなどで売っているバスマットを利用してDIYするのもありだと思います。
② 頭用と体用の洗浄料(ボディソープとシャンプー)
我が家で利用していたものです。
もっとリーズナブルなものもたくさんあるのですが、皮膚トラブルの多かった第1子がこれを使っている時が一番皮膚の状態が良かったので結局3歳まで使用していました。
お値段高めですが、赤ちゃんのうちなら消費量もそれほど多くないので「アリ」かなと思います。
③ 保湿剤
夏は乳液タイプ、冬はクリームタイプを使用しました。
数多くの赤ちゃん用の保湿剤が市販されていますが、小児科医目線での注意点は「オーガニック」「天然素材」などを謳っているものです。「茶のしずく石けん」を記憶されている方もいらっしゃると思いますが、食べて安心なものと塗って安心なものは異なります。迷った時にはかかりつけの小児科の先生に相談することをお勧めします。
実践した感想
従来の沐浴法とは比べものにならないくらい楽にしっかりと体を洗うことができました。
あわあわ沐浴、もちもち保湿(+沐浴マット)のデメリットで思いつくものはありません。
「常識を疑う」というのは何事においても重要なのだなあと思いました。
杉山先生が監修された本はこちらです。
Kindle Unlimitedの会員なら無料で読めます。
全ての産科クリニックにこの本が置かれるようになれば良いのになあ、と思うくらいの素晴らしい内容です
まとめ
新しい沐浴法である「あわあわ沐浴、もちもち保湿」を紹介しました。
従来の沐浴法との違いは
- ガーゼを使わない
- 顔も泡で洗う
- シャワーのお湯でしっかり流す
- しっかり保湿する
です。
さらに沐浴用マットを使用することで
- 体が安定するので赤ちゃんが不安にならずご機嫌
- パパママの左手の負担がなくなり、両手を使って洗うことができる
- 下に泡が貯まらないのでシャワーでしっかり泡を流すことができる
というメリットがあります。
我が家では上記方法を第2子の沐浴で実践し、従来の沐浴法の問題点は全て解消され、第2子は皮膚トラブルなしで現在に至ります。
一人でも多くの親御さんが沐浴の大変さから解放され、赤ちゃんの皮膚トラブルがなくなることを願っています。